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次々販売(過剰与信被害)

被害者

高齢者・障害者の方が狙いうちされる商売として、次々販売というものがあります。例えば、この種の被害は、販売業者が一人暮らしの高齢者の自宅に押しかけ、ぐっすり眠れて健康になれるとのふれこみの布団を、執拗に長時間粘って買わせることからはじまります。これで買ってしまったら、いい「カモ」が見つかったことになります。同じ業者が数日後やってきて、今度は遠赤外線のでる毛布を、その数日後には除湿剤を買わせます。そして、次次に健康商材を買わせます。しばらくすると、他の業者がやってきて、また、似たようなものを買わせます。被害金額はどんどんふくらんでいきます。
しかし、なぜこのように次々と販売業者がやってきて高額な商品を買わせていくことができるのでしょうか。その秘密はクレジットにあります。つまり悪徳業者が販売した商品をクレジットで購入すると、悪徳業者はクレジット会社から商品代金を受領し、クレジット会社は消費者にクレジット代金を請求することになります。そして、悪徳業者の問題が発覚した時には、すでに業者はつぶれているか、違法に稼いだお金をどこかに隠して返金に応じず、クレジット会社の消費者に対する請求だけが残るという関係になるのです。

では、このような被害にどう立ち向かえばいいのでしょうか。
高齢者の方に限らず、事業者と一般の方との取引は、ほとんどの場合「消費者取引」となります。勧誘の態様によっては、消費者契約法を用いて、取消・無効を主張していくことになります。また、上記の布団の訪問販売など特定の契約類型に属するものは、「特定商取引」と言われ、特定商取引に関する法律によって、クーリングオフの主張や契約取消の主張をすることが認められています。クーリングオフの主張は、「特定商取引」の内容によって、8日ないし20日と違いがありますが、訪問販売の場合は、8日間です。

ただ、実際のところ、弁護士のところに相談がくるのは、クーリングオフ期間が経過して、業者が解約に応じてくれない場合がほとんどです。しかし、あきらめることはありません。特定商取引法は、契約時に厳格な要件を定めた書面の交付を義務づけており、悪徳業者は不備記載のことが多々あるため、クーリングオフ期間がそもそも進行していないとして争う余地はあるのです。また、先の例で、クレジット会社が取引に介在している場合には、クレジット会社に対し、割賦販売法で認められた支払い停止の抗弁を主張することになります。さらに、平成20年6月18日に割賦販売法が改正され、この日より1年6ヶ月以内に施行されることになりました。
この改正割賦販売法では、①クレジット会社に訪問販売等を行う加盟店の行為について調査することを義務づけ、不適正な勧誘があれば消費者へ与信することが禁止され、また、②クレジット会社に対し、指定信用情報機関を利用した支払能力調査を義務づけるとともに、支払能力を超える与信が禁止され、さらに、③訪問販売等による売買契約が虚偽説明等により取り消される場合や、過量販売で解除される場合、クレジット契約を解約し、消費者がすでに支払ったお金の返還も請求可能となります。よって、改正割賦販売法が施行された後は、消費者が戦う武器を得ることになり、このような被害も多少は減ると思われます。もっとも、悪徳業者は様々な法の抜け道を探して近づいてきますので、注意を怠ってはいけません。

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